Entries from 2020-12-01 to 1 month

それだけで、山南はすぐに察知し

それだけで、山南はすぐに察知し、苦々しい顔をする。そう、御達示とは………芹沢一派の暗殺。そして粛清は始まった。新見錦…目立たぬ男だったが、れっきとした局長である。芹沢にひっつき、芹沢の威を借りて小さな悪事を繰り返す小心者。局長とは名ばかりで、…

嬉しかった

嬉しかった。ただただ、幸せだった。一日中、心が満たされていた。私は感情が顔に出てしまうタイプだ。そしてそれはもちろん、両親も知っていることだ。「蘭」彼が私の名前を呼び、見つめあうと甘いキスが降り注ぐ。もちろん実家だから、キスの先に進むこと…

早速ワインとチーズを手に

早速ワインとチーズを手に、ソファーに座る久我さんの隣に腰かけた。「いっぱい食べたけど、晩酌はやめられないよね」そして、気分良くワインのボトルに手を伸ばした私の手に、久我さんの手が重なった。「ワインもいいけど、それより先に、気持ちいいことし…

「そうなんですか

" 「そうなんですか。凄い偶然ですね」まさかこんな所で会うとは思わなかった。久我さんとは以前コンビニでも鉢合わせたことがあったけれど、なかなかこんなに偶然が重なる人もいない。「もしかして七瀬さん、今からこの店で食事するつもりでしたか?」「あ……

「久我さん……」「こんばんは

" 「久我さん……」「こんばんは。凄い偶然ですね」「そうですね……」そこで私は、今自分が化粧を落としたスッピンの顔でいることに気が付いた。よりによって、なぜこんなときに知り合いに会ってしまうのだろう。「すみません、私今温泉に行った帰りなんで酷い…